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Special Interview: 第1回「京都ヒストリカ国際映画祭誕生前夜」

第1回「京都ヒストリカ国際映画祭誕生前夜」

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インタビューを始める直前に高橋さんのケータイが鳴り、京都ヒストリカ国際映画祭で上映する「るろうに剣心全作上映」のチケットがすごい勢いで売れているという連絡が入る。満面の笑みでガッツポーズの高橋さん。「もうすこし値段高く設定してもよかったかな」と笑う。

 

 

松島 あ、服装がかぶっちゃいましたね(笑)。

高橋 ねえ、申し合わせたみたいにペアルックで(笑)。

松島 えーとじゃあ早速なんですけど、京都ヒストリカ国際映画祭についてはあんまりまだ
知らないという方もいらっしゃるかもしれませんけど、じつは今年で6回目なんですよね?

高橋 ええ、そうですね。6回目です。

松島 ぼくがいちど伺ったのはたしか三池崇史監督がいらしていて。

高橋 ああ、「忍たま乱太郎」のときだ。

松島 そうです。衣川さんにご招待いただいて。

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衣川 そうでしたね、第3回のときですから、もう3年前ですね。

松島 そもそもどうして時代劇や歴史劇に特化した映画祭を始めようということになったんですか?

高橋 最初から話すとものすごーく長くなるので、かんたんに話しますね(笑)。

松島 ははは、手短にお願いします(笑)。

高橋 まずやっぱり近年、京都で時代劇が撮れなくなってきているというのが大きな背景
としてあったんですよね。

松島 それは物理的に量として減ってきたと。

高橋 そういうことです。それで京都府としても産業振興の一環として時代劇を復活させていく
ためになにかいい手はないかということで、京都府の方から「お祭り」をやりましょう
というお話をいただきました。

松島 お祭りですか?

高橋 じつはそれまで京都の太秦にある東映や松竹の映画撮影所では、クライアントというのは
基本的に日本の映画製作者だけだったんです。

松島 まあそういわれてみれば、そうですよね。

高橋 ええ。でもゲームだったりアニメーションだったりっていう異業種か、もしくは外国の
映画関係者が連れてくるとか、そういう新しいクライアントを呼び込むためには、
お祭りみたいなイベントをやったほうがいいんじゃないかと。で、その時に歴史もの
だけを扱った映画祭なんてどうですか?って、ぼくがジャストアイデアでポロッと
言っちゃったんです。

松島 言っちゃった(笑)

高橋 ええ。言っちゃった。しかも、じつは最初そのときは鼻で笑われたんですけどね。

松島 アハハハ

高橋 それが6年前の2008年だったか、いや2009年だったかな?

衣川 2009年だったと思います。

高橋 2009年に、国の産業振興の予算を使って京都で「京都クールジャパンエキスポ」というのを
やろうという話がまずあって、その流れで「KYOTO CMEX」という正式な組織が誕生しました。
その枠組みにおけるひとつの目玉として「例の映画祭やるか?」という話になったんで
「やります!」って即答しました。

松島 じゃあこの映画祭のスタートは高橋さんのポロリから始まった。

高橋 まあ、そうですね。でも当時ほんとにそんなにたくさん歴史もの映画があるなんて思いも
しなかったんですけど。

松島 そこも見切り発車だった、ということですか?

高橋 ええ。でも、その当時でもたとえばソフィア・コッポラの「マリー・アントワネット」とか
あるにはあったんで。だからもし京都市が二条城とかをロケーションとしてドーンと
貸しますよ、全編映画撮影で使ってくださいよっていうのがあったらね、ハリウッドから
撮影オファーが来るかもしれませんよ、大きな産業振興になりますよっていうご提案は
しました。「マリー・アントワネット」だってパリがベルサイユ宮殿を貸しますよって
言ったから撮れたわけですから。

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松島 じゃあそのパッとした思いつきの発言から始まって、最初は鼻で笑われたけど、
でも実際にこうして大きな映画祭になっていく過程というか要因についてはどういう
ところにあったんですか?

高橋 やっぱりいちばん大きかったのはさっきお話ししたKYOTO CMEXをやるっていうことで、
思いもかけない大きな予算があったということですよね。

松島 なるほど。きちんと運営していけるだけの予算が確保されたと。

高橋 そういうことですね。

松島 お金を生むためには、お金が要りますもんね。

高橋 まあ、そうですね。東映が儲けるとか、映画館が潤うというだけの話ではなく、
産業まるごと育てようとすると、やはりそれなりの予算の道筋をつけないと難しいですから。

松島 そういう意味では運とタイミングもあった。

高橋 ありましたねえ。

(つづく)